
学生一人ひとりと向き合い、就業観を形成
きめ細かいサポートから企業理解を深め、
小規模採用にも対応する旭化成アミダスの新卒紹介
「売り手市場」の傾向が強まる近年の新卒採用。母集団形成や選考の難しさに加え、就職活動の長期化にともなう内定辞退者の増加に多くの企業が悩まされている。特に採用予定数の少ない中堅・中小企業は、採用予算や人事のマンパワーに限りがあるため、問題はより深刻なようだ。そのような悩みを抱える企業から注目されているソリューションが、「新卒紹介」。旭化成アミダスでは、旭化成グループ内の採用支援や、グループ外の若干名を効率良く採用したいと考える企業を中心に新卒紹介を行っている。内定承諾後の辞退率が極めて低い同社の強み、活用法などについて、同社総合営業推進部 人材紹介事業グループの松岡猛さんと、谷尾美季さんに聞いた。
少人数採用やピンポイント採用などの課題を解決
---まず、新卒市場の現状と、御社の新卒紹介の概要からお聞かせいただけますか。
松岡:弊社の人材紹介事業は約30年の実績があり、多くの企業にご利用いただいてきました。新卒紹介は2010年にサービスを開始したので、弊社の中では比較的新しいサービスになりますが、自社の新卒採用や、大学向けの教育プログラムなどのノウハウを生かし、効率的な新卒採用を実現するためのサポートを行っています。
ここ数年の新卒採用市場は、全国的な若手の人材不足からくる売り手市場の傾向が強まっています。その影響を最も受けているのは、やはり中堅・中小企業でしょう。採用予定数が「若干名」の場合は採用予算も限られ、就職サイトなどで大規模な告知を行うことができません。母集団形成の段階から、すでに厳しいのが実状です。たとえ優良でも、「B to B」商材を扱う企業は学生になじみがなく、企業理解がなかなか進まないといった悩みもよく耳にします。また、内定を出して入社に合意していたのに、その後辞退されてしまうケースが目立ったのも、2016年卒採用の傾向でした。
谷尾:新卒紹介は完全成功報酬制ですので、費用は最終的に入社した人数分だけのご負担となります。また、私どもが一対一で面談し、企業理解や志望動機を十分確認してからご紹介しますので、人事のマンパワーが十分でないという企業の「採用代行」としての役割も果たせると考えています。実際に近年は、中堅・中小企業によるご利用が大半を占めています。若干名を確実に、そして効率的に採用したいとお考えの企業にとって、新卒紹介はベストの選択肢になりつつあると思います。
---御社の新卒紹介が得意とされている、分野やエリアなどをお教えください。
松岡:弊社は旭化成を母体とする人材サービス会社ですので、学生や大学関係者にとってブランドの認知度が高く、なじみやすいようです。そのため、「化学・素材系」「建築・住宅系」「ヘルスケア系」などの業界に関心のある、多くの学生が登録しています。理工系・技術系の学生だけでなく、営業志望や事務職志望の学生まで幅広く紹介することが可能です。
エリアとしては、事業所のある「首都圏」と「関西圏」でのご紹介が中心です。他にも、
旭化成の発祥の地である九州は、地元の方からの信頼が厚いので、地元志向の学生からの登録が比較的多いことが特色です。最近では必要に応じて、ピンポイントでの採用が難しいエリアについてもご紹介を始めています。
谷尾:ちなみに、弊社は旭化成グループ内企業にも新卒紹介を行っていますが、グループ外企業であっても、学生自身の希望と意思、仕事との相性を考慮して、長く働いてもらえる最適なマッチングを行うことを心がけています。
きめ細かいサポートで学生の企業理解を深め、志望動機を固める
---新卒紹介における、御社ならではの「強み」とは何でしょうか。
松岡:学生とはすべて対面で面談し、セミナーを通じて自己分析や就業観の確立を行ってもらった上で、業界研究や企業理解に進んでもらうなど、段階に応じて中長期にわたり、きめ細かな就職相談を行います。学生の本音を引出すことができますので、その特性をよく理解し、お客さまと本当にマッチングする学生のみをご紹介しています。企業へのマッチング度が高い状態でご紹介できること、これが強みだと考えています。
昨今はダイレクトリクルーティングなど、逆オファーのような手法もありますが、学生側の自己分析・就業観の理解がどこまで進んでいるかにより、反応はさまざまです。意識の高い学生ほど、大手優良企業や「B to C」のメーカー企業へ偏るなど、自ら選択肢を狭めている場合も少なくありません。また、「就活の攻略法」のようなものに頼っている傾向があり、企業の面接担当からは、「本音が見えず、入社後に不安」といった声をお聞きすることも少なくありません。そのような学生・人事担当の双方に、リアルな情報をお伝えすることで、採用成功のみならず、入社後の満足度にもつなげたいと考えています。
---通年でご紹介いただくことも可能なのでしょうか。
谷尾:可能です。早い段階で採用スケジュールや方向性をご相談いただければ、学生への早期の意識づけも可能です。弊社では、3年生のインターンシップの時期から、学生へのコンタクトをスタートさせます。比較的早い時期に大学で開催される就職セミナーなどを通じて、自己分析や業界研究、企業研究のサポートを行います。一対一の面談も、この時期から同時並行で進めていきます。そのため、就職サイトで募集情報が解禁される春ごろには、すでに第一陣のご紹介が可能です。
中堅・中小企業の採用が山場を迎えるのは、大手の内定出しが一巡した6月以降となりますが、この時期にも、弊社では「エントリーシート作成サポート」や「模擬面接セミナー」などで多くの学生とコンタクトを続けています。そのため、この時期がピークになる中小企業の採用や、追加でのピンポイント採用にも対応が可能です。
松岡:さらに、秋から年末、年明けまで、就職サイトで予定数を充足できなかった企業や内定辞退者分の緊急補充などのニーズが続きます。この場合、1~2名の追加募集というケースが大半です。当然、潤沢な予算はなく、次年度の準備などでマンパワーも割けない場合が多いのですが、そういった場合にこそ、ぜひ弊社の新卒紹介をご活用いただきたいと考えています。弊社では、通年でピンポイント採用をお手伝いできる体制を整えています。
企業にとっても学生にとっても幸福なマッチングを目指す
---御社の新卒紹介は、どのような企業に適しているとお考えでしょうか。
松岡:まず「少人数採用」の企業です。10名未満の採用規模でしたら、就職サイトなどを使って大々的に母集団形成を行うよりも、トータルではコスト削減が可能だと思います。また、メインの職種以外に「ITエンジニアを1名だけ」「理工系の学生」「英語力のある学生を1名」といったピンポイント採用にも活用することができます。
谷尾:また、新卒採用は初めて、あるいは久しぶりで社内にノウハウがない、マンパワーが少ないといったケースでも、一種の採用代行サービスとして活用することができます。内定から入社までのフォローは非常に重要ですが、期間も長く、人事にとっては負担の大きい業務です。弊社では入社へのモチベーションを高めるカウンセリングと丁寧なフォローで、2016年卒では「内定承諾後の辞退者ゼロ」を実現しました。2010年のサービス開始からの累計でも、やむをえない事情で辞退したケースがごくわずかにあるだけで、「内定承諾後の辞退者ゼロ」をほぼ毎年続けています。
松岡:今後は「理系学生の採用支援強化」をテーマに、さらに新卒紹介をパワーアップさせていく予定です。内定辞退者を出さないだけでなく、入社後に長く働き、パフォーマンスの高い学生をご紹介できるよう採用支援を行い、企業にも学生にも高く評価されるサービスを提供していきたいと考えています。
---ありがとうございました。中堅・中小企業の採用支援を中心に、とてもきめ細かく取り組まれている御社のスタンスが大変よく理解できました。

企業データ
社名 | 旭化成アミダス株式会社 |
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本社所在地 | 〒103-8480 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地 テラススクエア5階 |
事業内容 |
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設立 | 1987年1月 |
代表者名 | 堀上 文宏 |
