離職率
[リショクリツ]
雇用労働者の離職割合を示す数字。一定期間内に雇用関係が終了した労働者(離職者)の数を在籍労働者の数で割ったもので、厚生労働省では労働流動化を把握するための指標としています。
(2004/11/22掲載)
離職率のケーススタディ
大卒の30%、高卒の50%が<br />3年以内に離職している
ひとくちに離職率といってもさまざまな計算基準があります。厚生労働省の「毎月勤労調査統計」は、1カ月間の離職者数を前月末時点の雇用者数で割ったパーセントを表示しています。事業所(5人以上)を単位とした調査統計なので、これには同一企業内の異動も含まれており、2004年は4月が4.26%、9月は1.99%でした。同省が年間を通じて行っている「雇用動向調査」では、昨年の離職率は14.7%となっています。また総務省統計局の「就業構造基本調査」は離職率の定義が多少違っています。
一方、企業が公表している離職率は「入社後3年以内に会社を辞める人の割合」だったり「中途入社の人が1年以内に辞める割合」だったりと、さまざまです。このように、どの役所もどの企業も同じ基準を使っているわけではないので、データを見たり分析したりする際には、算出根拠をどこに置いているのかに注意する必要があります。
ここにきて問題とされているのが、若年者の離職率の高さです。「入社後3年目までに離職する割合」は大学卒で30%、高校卒では50%を超えると言われています。厚生労働省委託の「若年者の職業生活に関する実態調査」によると、就職してから1年以内に離職した正社員の離職理由のトップは「仕事が自分に合わない、つまらない」で39.1%、次いで「会社に将来性がない」(36.7%)、「賃金や労働時間等の条件がよくない」(32.6%)の順でした。
離職率の高い会社は人材の流入・流出が激しいとされます。一般的に言えば、短期間でノルマが果たせない社員に退出を求める会社の離職率は高く、長時間かけて知識や技術を習得しなければならない会社は低くなる傾向にあります。とくに最近では会社を「スキルやキャリアをアップする場」「自分のパフォーマンスで報酬を得るところ」と割り切る若い人が増えており、離職率の高い低いだけで企業の善し悪しを判断する時代ではなくなっています。