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キャリアカウンセラー
[キャリアカウンセラー]

個人の能力や特性を踏まえて、生涯にわたるキャリア形成をよりよい方向で構築するために、援助や助言をしたり、キャリア関連の情報を提供したりする専門家のことです。人材紹介・派遣会社、企業の人事部門、ハローワーク、学校での職業紹介など、幅広い分野で需要が高まっています。

キャリアカウンセラーのケーススタディ

キャリア開発や職業相談の専門家<br />11の機関が能力評価試験を実施している

終身雇用制の崩壊、働き方の多様化、年功序列型人事から成果主義人事への移行などにより、雇用をめぐる情勢は大きく変化しています。個人の持つ能力や適性、価値観と、企業が持つ理念や仕事の内容、労働環境などを、どのようにマッチングさせていくのかが、大きな課題となっています。そうした中で求められているのが、職業選択やキャリア形成などで悩んでいる人に対して、専門的見地からアドバイスを与えることのできるキャリアカウンセラーです。

米国では1929年の世界大恐慌以降、何度も雇用のミスマッチに直面してきました。このため労働者の職業指導にいち早く取り組んだ結果、キャリアカウンセリングの理論や実務が大きく発展、雇用政策に大きな効果をもたらしました。これに着目した日本政府は、2001年の総合雇用対策でキャリアカウンセラーを「5年間で5万人を養成」する方針を打ち出し、人材派遣会社、カウンセラー団体、コンサルタント協会、アウトプレースメント会社などから熱い視線を集めることになったのです。

厚生労働省はキャリアカウンセリングの基本部分を「キャリア・コンサルティング」と名付け、専門家を養成するための最低レベルの基準を設けました。11の機関(2005年5月現在)が能力評価試験を実施、合格者数は7000人弱(キャリア協議会調べ、2004年10月現在)に上っていますが、それぞれの機関が異なる基準や名称で資格を発行、試験のレベルも違うため一部で混乱も生じているようです。

また、並行してキャリアカウンセリングに関するさまざまな養成講座も開かれており、その修了者を含めると推定で2万4000人(2004年10月現在、厚生労働省調べ)の“専門家”が養成されたことになります。しかし単に数を増やすだけでは粗製濫造のそしりを免れません。米国では大学院で修士号を取得したうえで、教官の指導のもと数年間の実務経験を踏んで初めてキャリアカウンセラーという名称を用いることができます。日本においても教育機関や研究者、学者と連携するなどして、キャリアカウンセラー全体のレベルの底上げを図り、社会的に認知度の高い制度に改めていく必要があります。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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