採用人気の高い体育会学生に特化
直接対話でデータに表れない人物像まで把握して紹介
キャリアやスキルでの差別化が難しい新卒採用では、一つのことに打ち込んできた体育会学生の人気が高いとよく言われる。どのくらい人気があるのかというと、学生の就職人気ランキングの上位を占める優良企業では、採用した人材のなんと30%以上が体育会出身者だった…というデータもあるほどなのだ。アスリートプランニングは、この多くの企業が欲しがる体育会系学生の採用・就職支援を専門とする人材会社。全国の大学にネットワークを持ち、毎年体育会学生の半数近くが利用するという、同社のサービスについてうかがった。
体育会学生の持つ「付加価値体験」とは何か
---人気の高い体育会学生ですが、企業はどういったところを評価しているのでしょうか。
体育会学生と聞いて、最初に思い浮かべるのは「体力がある」とか「元気」「明るい」といったイメージではないでしょうか。もちろん、間違いではありませんが、企業が一番求めているのは、「組織の中で揉まれた経験」であり、そこから生まれる「精神的なタフさ」「メンタルの強さ」だと思います。
体育会は縦社会ですから、必ず先輩がいて後輩がいます。監督やコーチといった大人とのつきあいもあります。自分が上級生になったら、部やチームをどうまとめていくかということも重要です。練習や試合の厳しさに加え、こうした難しい人間関係を経験し、その中でも前向きに目標に向かっていった体験、つまり、体育会ならではの「付加価値体験」が、企業社会に入った時に役に立つと考えられているのでしょう。
近年、企業は「社員のメンタルヘルス」にとても気を配るようになっています。グローバルな競争が厳しさを増していることもありますが、最近の若者が地域の子供社会のような縦組織をあまり経験していないことも、理由の一つだと思います。さらに今後は、異なる文化を持つ外国人と一緒に働く機会も多くなるでしょう。人間関係に揉まれ、精神的にタフな体育会学生のポテンシャルを求める企業は、もっと増えてくると考えています。
---そうなると、採用戦線での競争はとても激しくなりますね。
そうですね。もともと体育会学生は全学生の8%程度で、4~5万人しかいません。しかし、学生の就職人気企業ランキングに入るような有名企業や大企業の場合、新卒採用の30%以上を体育会出身者から採っているという現実があります。また、体育会学生は一般学生に比べて就職活動に割ける時間が短いため、情報不足からどうしても有名企業、大企業志向になりがちです。先輩リクルーターの影響力も大きく、優良でも知名度が低い企業や、成長性は高くてもまだ規模が小さい企業などは、体育会学生が欲しくても採用できないという状況がすでに発生しています。
私どもの新卒紹介は、このような「体育会学生にもっと会いたいが、なかなか会えない」という企業からの声にお応えする形で、2007年に新しいサービスとして立ち上げました。これまでに約500社から求人をいただいており、学生に対しては個別カウンセリングを重ねながらそれぞれの企業の魅力を伝えながら、推薦を行っています。
ある意味で「売り手市場」ともいえる体育会学生ですが、企業側としてはしっかり選考した上で採用したいという思いもお持ちです。成功報酬制の新卒紹介は、まさに最適の採用方法といえると思います。
全国の体育会学生のおよそ半数をネットワーク
---新卒紹介における御社ならではの強みを教えてください。
アスリートプランニングの設立は1997年ですが、新卒紹介を開始するまでの10年間も、体育会学生の採用・就職支援一筋でビジネスを行ってきました。紹介以外の主力サービスは、体育会学生限定の合同説明会や就職メディアなどで、その頃から学生を集めるために築いた全国のキャンパスでのネットワークが、新卒紹介でも大いに活かされています。
体育会の特徴は、先輩・後輩の強いつながりがあることです。1年生や2年生の時から、先輩がアスリートプランニングのセミナーなどに参加したという話を聞いている学生は、3年生になると就職準備の第一歩として、私どもにエントリーしてくれます。さらに「体育会専門」というコンセプトにも非常に強い仲間意識を持ってもらえることもあって、現在では全国の体育会学生のほぼ半数を押さえることができています。
さらに、学生へのカウンセリングやフォローにも、体育会専門でやってきたノウハウがあります。企業とのマッチングはすべて人物本位。そのため、直接対話を重視しています。履歴書やエントリーシートといった文字データからは分からない、人物像までつかんだ上でご紹介やその後のフォローも徹底して行います。
また、体育会学生は大企業志向が強いと申し上げましたが、実はきちんとその企業の魅力を伝えることさえできれば、ベンチャー企業や中小・零細企業での仕事にも十分に興味を持ってくれます。彼らがどんなやりがいを求めているのかを的確に判断し、ふさわしい企業をマッチングしていくアドバイザーの経験値も、私どもの強みだと思っています。
体育会学生のポテンシャルを多くの企業で活かしてほしい
---実は社長ご自身が、この分野の日本での草分けだそうですね。
1992年に、以前在職していた企業で、わが国初の「体育会学生に特化した就職支援サービス」の立ち上げに参加したのが最初の関わりでした。そして5年後、この分野はもっと伸びると考えて、アスリートプランニングを設立して独立しました。現在、この分野を専門的に扱っているのは日本では当社だけです。
私自身も大学で4年間ヨット部に在籍した体育会出身者なので、体育会学生の実態や特徴、考え方がよく分かります。主体性、実行力、ストレス耐性、柔軟性など、体育会学生のポテンシャルを、ぜひ多くの企業で活かしていただきたいと思います。
---ありがとうございました。御社が持つ専門ノウハウには、社長ご自身が20年近く関わられてきた経験値が大いに活かされていることがわかりました。
企業データ
社名 | 株式会社アスリートプランニング |
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本社所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-12-2 高田馬場OCビル3階 |
事業内容 |
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設立 | 1997年2月7日 |
代表者名 | 代表取締役 山崎 秀人 |