母集団形成から「採用候補集団形成」へ
新卒採用のさまざまな課題を解決するマイナビの新卒紹介
代表的な就職サイトとして、毎年50万人以上もの学生がエントリーする「マイナビ」を運営する(株)マイナビは新卒紹介サービスを「マイナビ新卒紹介」のブランド名で提供しており、学生・企業の双方から高い信頼を獲得している。同社が特に注力しているのは、従来型の母集団形成ではなく、企業が採用ターゲットとして想定している学生だけを集め、十分に企業を理解してもらうことで、志望動機の固まった学生のみを紹介することができる「採用候補集団形成」という手法だ。採用活動の開始が12月になったことに加え、通年採用やグローバル採用が活発化するなど、変化の激しい新卒採用の現場において、どのように活用すればいいのか――。今注目されるソリューションについて聞いた。
情報感度が高く、自発的・自律的な行動のできる学生を紹介
---新卒採用を取り巻く状況が変化する中で、新卒紹介への注目度が高まっています。
2013年卒の新卒採用から企業の広報開始が12月になりましたが、早くもその影響が出ています。学生の企業研究の期間が短くなったために、大手・有名企業以外はエントリー数が平均で20%も減少したというデータもあります。準大手、中堅・中小企業が新卒採用で苦戦する状況が、より一層鮮明になったといえるでしょう。
大手企業も決して楽観はできません。近年は一部の優秀な学生に内定が集中する傾向があり、辞退者が出てくる可能性があるためです。厳選採用の傾向も続いていますので、補充する場合もレベルは落としたくない。通年採用やグローバル採用も注目されていますが、しっかりしたノウハウを確立している企業はごく一部ではないでしょうか。
つまり、今まで通りの採用スタイルでは、質・量ともに満足できる新卒採用は難しいというのが実情です。また、採用部門には同時に、さらなる業務効率化も求められています。こうした課題を解決する効果的なソリューションとして、新卒紹介への期待が高まっているのではないでしょうか。実際、企業からのお問い合わせも着実に増えています。
私どもがご提供しているのは「マイナビ」ブランドの新卒紹介サービスということで、マイナビとの併用をはじめ、中途採用や人事コンサルティングとの組み合わせなど、多彩なご提案ができるという強みがあります。成功報酬制ですから、少人数の採用であればメインの手法として利用し、特殊な職種の採用や内定辞退者の補充の場合は補助的に利用するなど、課題や状況に応じてさまざまな形で利用できることも特色です。
---御社が提案される「採用候補集団形成」という考え方について詳しくお教えください。
最初に母集団を大きく形成し、そこから徐々に絞り込んでいくという、従来の新卒採用の一般的な手法は時代に合わなくなってきているのではないでしょうか。特に厳選採用において、そもそも採用ターゲットにならない学生も含んだ母集団を形成することは、時間と労力、コストの無駄であり、企業・学生の双方にとって意味があることとは思えません。
企業にとって一番望ましいのは、採用ターゲットとなる学生だけを集めて選抜することです。その際、学力やポテンシャルが十分なだけでなく、自社を理解していること、応募意思が固まっていることなども重要です。こうした条件をクリアした学生だけを集めた「採用候補集団」の形成は、専門のキャリアアドバイザーが一人ひとりの学生とじっくり話すことでのみ可能になります。
私どもでは3年生の10月から、業界セミナー、自己啓発セミナー、模擬面接、カウンセリングなど、学生への就職支援を開始します。これらにエントリーしてくるのは、12月の情報解禁前から積極的に動きたいと考える、就職意識や情報感度の高い学生たちです。経験豊富なキャリアアドバイザーが、こうした学生たちの希望や適性を考慮しながら的確なアドバイスを行い、ビジネスポテンシャルの高い「採用候補集団」を育てていきます。各社の魅力や働きがいを具体的に紹介することにより、学生に応募動機を固めてもらい、近年大きな問題となっている入社後のミスマッチの発生を防ぐように努めています。
研究職以外の可能性も提案する「理系学生」の紹介
---採用競合が激しい理系の学生の紹介にも注力されているとお聞きしました。
理系の学生には「専攻を活かしたい」という希望が強く、大学の授業や実験が忙しいために企業研究に割ける時間が少ないという傾向があります。そのため、「大手企業での研究開発職」を漠然と志望する学生の割合が高い。しかし、実際には大手企業からの研究開発職以外の求人や、準大手、中堅・中小の優良企業からの研究開発職の求人も多数あります。このミスマッチを解消するためにも、新卒紹介は非常に有効だと考えています。
学生にとっては、企業研究をプロのキャリアアドバイザーに相談しながら進められるというメリットがあります。文系よりも忙しい理系の学生にはこのメリットを実感してもらいやすく、優秀な学生のエントリーが毎年増えています。そこで私どもでは、学生が授業や実験の後でも参加しやすいように、セミナーを夕方以降に行うなどの工夫を行っています。
企業に、欲しい人材をピンポイントでご紹介できるというメリットもあります。例えば、化粧品業界の企業でITや機電系の人材を募集しても、畑違いの業界と思われて、なかなか志望者が集まらないという話をよくお聞きします。しかし、私どもには理系出身のキャリアアドバイザーが複数在籍していますので、学生にさまざまな「理系人材の働き方」を提案することができます。今後も、理系の学生のご紹介には特に力を入れていきたいと考えています。
新卒紹介を活用して採用に成功した事例
---新卒紹介を活用した採用は、具体的にどのようなケースに適しているのでしょうか。
さまざまな事例がありますが、ここでは三つのケースをご紹介したいと思います。
[1]業界イメージによって採用が難しい人材の採用
非鉄金属メーカーA社では、技術系は大学のルートもあり安定した新卒採用ができていましたが、文系学生は思うような母集団形成ができずに苦戦していました。そこで、私どもにエントリーしている文系学生を対象にした個別セミナーを実施。業界説明から仕事現場の案内まで、きめ細かな対応を行うことで志望動機の形成を図りました。こうしてできた「採用候補集団」をご紹介したところ、2名が内定。これまでの採用メディアを利用した募集では出会えなかったタイプの学生を採用できたと、高い評価をいただきました。
[2]採用ノウハウがない状況からの新卒採用
アウトソーシング業B社では、定期採用を行っていないため社内にノウハウがありませんでしたが、経理・財務の専門知識を持つ人材をピンポイントで採用したいという、難易度の高い課題を抱えていました。そこで、私どもにエントリーしている学生の中でも、経理・財務の知識を持つ学生のみを対象にした個別説明会を実施し、志望する学生の中でも、計数試験の成績上位者のみをご紹介しました。非常に優秀な人材だということで、当初1名の採用予定だったのが、結果的に2名に枠を拡大して採用していただきました。
[3]内定辞退者の補充を非公開・短期間で実施
医療機器メーカーC社で内定辞退者が出てしまいました。知名度の高い企業のためメディアで公募すれば応募者が殺到し、事務に関する負担が大きくなることが予想されたため、新卒紹介による非公開での採用活動を実施。できるだけ短期間で採用したいというご意向だったため、対象職種を希望する理系の学生だけに企業説明や応募意思の確認を行った上で、ご紹介しました。辞退者が出てからわずか1ヵ月で、選考から内定承諾までのプロセスを完了することができました。
このように私どもの新卒紹介では、キャリアアドバイザーが仲介することによって、柔軟な対応が可能です。通年採用やグローバル採用でのご利用にも、十分に対応できると考えています。新たな課題に直面した際には、ぜひ私どもにご相談ください。
---ありがとうございました。現在議論されている大学の秋入学など、新卒を取り巻く環境はさらに変化すると思いますが、そうした変化にもすぐに対応していけるのが御社の新卒紹介サービスだと感じました。
企業データ
社名 | 株式会社マイナビ |
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本社所在地 | 〒100-0003
東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 ◎マイナビ新卒紹介 事務局 (新宿エルタワー27F) |
事業内容 | 有料職業紹介事業(13-ユ-080554) |
設立 | 1973年8月15日 |
代表者名 | 代表取締役社長 中川 信行 |